『 初詣 』


「ワンワン!」

「わっ、フント!ちょっと、そんな引っ張らないでよ。」

「ワン!」

「フントもこっちまでくるのは初めてだからはしゃいでるんだよ。」

「レニも、そろそろフントを抱えた方が良いな。」

「うん。フントおいで。」

帝都近郊で初詣といえば、明冶神宮。大神とレニも(今年の干支であるフントも連れて)参拝に来ていた。

「やっぱりすごい人だね。」

「うん、前に来たときよりも増えたね。」

「それだけ、帝都に人が増えたってこと?」

「あぁ、俺たちが守っている人たちだよ。」

「がんばろうね、隊長。」

「がんばろうな、レニ。」

手をつないで鳥居をくぐり参拝した後、ぶらぶらとすることにした。

「お御籤、引く?」

「う・・・、ひ、引いていこうか?」

二人ともそれぞれ引いてみる。

「どう、隊長?」

「・・・末吉。まぁ、良くはなってるな。レニは?」

「大吉。」

「良かったじゃないか。」

「うん。」

出店をのぞきながら操車場に向かう途中、レニが「あっ」と言って立ち止まる。

「どうした、レニ?」

「まだ、言ってなかった。」

「何を?」

「明けましておめでとう、隊長。」

「明けましておめでとう、レニ。」


仲良く手をつなぎ、二人は歩いていった。




■天川零様■大レニ■2006/01■年賀SS
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