『 初詣 』「ワンワン!」 「わっ、フント!ちょっと、そんな引っ張らないでよ。」 「ワン!」 「フントもこっちまでくるのは初めてだからはしゃいでるんだよ。」 「レニも、そろそろフントを抱えた方が良いな。」 「うん。フントおいで。」 帝都近郊で初詣といえば、明冶神宮。大神とレニも(今年の干支であるフントも連れて)参拝に来ていた。 「やっぱりすごい人だね。」 「うん、前に来たときよりも増えたね。」 「それだけ、帝都に人が増えたってこと?」 「あぁ、俺たちが守っている人たちだよ。」 「がんばろうね、隊長。」 「がんばろうな、レニ。」 手をつないで鳥居をくぐり参拝した後、ぶらぶらとすることにした。 「お御籤、引く?」 「う・・・、ひ、引いていこうか?」 二人ともそれぞれ引いてみる。 「どう、隊長?」 「・・・末吉。まぁ、良くはなってるな。レニは?」 「大吉。」 「良かったじゃないか。」 「うん。」 出店をのぞきながら操車場に向かう途中、レニが「あっ」と言って立ち止まる。 「どうした、レニ?」 「まだ、言ってなかった。」 「何を?」 「明けましておめでとう、隊長。」 「明けましておめでとう、レニ。」 仲良く手をつなぎ、二人は歩いていった。 |