『小悪魔レニ』
■15000hitリク■ふぁむ様

・・・・・・ねぇ、隊長?

*どこかに隠しページの入り口があったり。


■大神・レニ■2003/03/20■Photoshop5.0
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↓ふぁむ様からリクエスト時の「こんなシチュエーションで」SS。
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扉を閉じて、明かりをつけた。
眠れなくて、書庫から本を持ってきたんだ。
眠れない理由はわかっている。
隊長があの人の部屋を訪ねていたからだ。
……仲、よさそうだった。
この頃隊長はあの人と一緒にいることが多い。

悔しくなって、右手を軽く握り締めた。
軽く首を振ってから、もってきた本を開く。
そういえば、どんな本を選んだのか……。
思い出せなかった。



扉の隙間から明かりがもれている。
二度ノックして、返事がくる前にすばやく滑り込んだ。

後ろ手にドアを閉めた。
驚く隊長の表情は予想されたものだ。
この時間に部屋を訪れるのは初めてのことだし、
今の衣装が隊長にどんな印象を与えるかは想像できる。

「衣装部屋で見つけたんだ。
この衣装、どう思う?」

表情を崩して笑ってみせる。
硬直したままの隊長が赤くなった。

「いったいどうしたんだ」
そう聞かれた。

「僕がこんな格好するのは、変かな?」

正直に変だ、といえる隊長じゃない。
そのくらい、僕にでもわかる。

一歩近づくたびに僕の胸が高鳴っていく。
隊長の視線を痛いくらいに感じる。

「隊長、逃げないで……。」

腰を浮かせかけた隊長をそういって止めた。

座ったままの隊長の頬に手を添える。
軽く上をむかせて、その瞳を覗きこんだ。

「それとも、僕のこと、嫌い?」

そのまま隊長の首に両腕をまわす。
体重を預け、耳元で囁いた。

「……ねぇ、隊長?」

甘い声、というのはこういうものなのか。
自分でも初めて知った気がする。
隊長がごくりと喉を鳴らすのがわかった。

そして隊長は――

――あれ?
ふっ、と身体の力が抜けた。
「……レニ!」
という声が聞こえた気がした。



……目の前に隊長の顔がある。
覗き込んでいるのは僕ではなくて隊長の方だ。

僕がいたのはベッドの上で、
見上げる天井は僕の部屋のものだ。

「大丈夫か?」と聞かれたので
大丈夫と答えた。

「僕がどうかした?」と聞いたら
明かりがついたままノックをしても返事がないので
ドアを開けたら僕が倒れていたそうだ。
倒れた覚えはなかった。
何故そうなったんだろう。

そういえばさっきの夢は……。
迷いがあったけど、聞いた。
「隊長、僕、隊長の部屋にいった?」

「いや、来てないけど?」
それが隊長の返事だった。

やっぱり夢、だったのかな?
……ちょっと残念に思う。
もう少し続きを見たかったのに、と。

唐突に思い出した。
さっきの本は、何処においたのか。
見回すと、床に一冊の本。
開いたページが下に、表紙が上になっているので
読みかけで落としたようだ。

題名は……悪魔辞典?
ページを閉じないように持ち上げる。
そこには「夢魔」とあって……。
本を閉じた。
そう、挿絵に人型の空白があったのだって、きっと偶然だろう 。


そんな事を考えていたら頭をくしゃ、ってされた。
なんとなく照れくさいな、って、
そう思って顔をあげたら隊長が
「レニの寝顔はかわいかった」
なんて言うから頬が熱くなってきた。

思わず下を向いた。
そうしたらククっという声が聞こえた。
ちらりと見ると隊長は口元をおさえて身体をふるわせている。
どうやらからかわれたみたいだ。
僕はムッとした。

でも「いや、安心したよ」と
そう言われると、なんとなく許してもいいかな、っと思えてく る。

もっと話していたかったけど隊長は
「まだ見回りがあるから」
と言って、部屋を出て行ってしまった。
しょうがないことなのに
寂しい、と感じる僕がいる。
また明日、隊長に会いに行こうと思う。



さらに高槻裕様から大神さん視点のSSも頂いちゃいましたv
こちら→からどうぞv

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